村上春樹さんの小説には、様々なブルーのワンピースが出てきます。
それをシリーズでご紹介します。
まずは、赤と緑の装丁が印象的な「ノルウェイの森」から。
春樹さんの小説の中で青いワンピースといえば、まず一番最初に思い浮かんだのがこのシーンです。
ミッドナイトブルーのワンピース。なんて美しいのだろうと想像していました。
『ノルウェイの森』
15分くらい経ってからハツミさんがやってきた。彼女はとてもきちんと化粧をして金のイヤリングをつけ、深いブルーの素敵なワンピースを着て、上品なかたちの赤いパンプスをはいていた。僕がワンピースの色を賞めると、これはミッドナイト・ブルーっていうのよとハツミさんは教えてくれた。
(中略)
外に出ると夜の空気はずいぶん冷ややかになっていた。ハツミさんは淡いグレーのカディガンを羽織った。
(中略)
僕にもあなたみたいなお姉さんがいたらよかったなと突然思ったんです。スマートでシックで、ミッドナイト·ブルーのワンピースと金のイヤリングがよく似合って、ビリヤードが上手なお姉さんがね。