焼き物で「青」が素晴らしいのは、
九谷焼 人間国宝 故三代目 徳田八十吉さんの作品です。
まるで宇宙を表現したかのような、
ブルーが本当に美しい作品です。
私は、2011年に横浜のそごう美術館で開催された
「追悼人間国宝 三代徳田八十吉展」で拝見しました。
色の濃淡と温度調整から生まれる炎の芸術。
伝統ある九谷焼に新たな表現を確立した、
重要無形文化財「彩釉(さいゆう)磁器」保持者(人間国宝)の
功績を伝える「追悼人間国宝 三代徳田八十吉展」
没後初の回顧展でした。
三代徳田八十吉さんは、1933年に石川県小松市の九谷焼窯元に生まれ、
人間国宝の祖父・初代八十吉から古九谷彩釉を、
父・二代八十吉からは現代陶芸を学びました。
九谷焼の伝統色絵から脱却して紺、紫、緑、黄の4彩を組み合わせて数百の色を作り出し、
グラデーションによる彩釉磁器の焼成に成功。
独自技法は「耀彩(ようさい)」と呼ばれ、
2009年に75歳で死亡するまで、新作の創作を試み続けたそうです。
会場では、海に昇る太陽の光りを表現した「黎明(れいめい)」など
代表作約70点をオープン展示。
展示台に並ぶ色鮮やかな作品をさまざまな角度から鑑賞できる。
江戸初期の古九谷や初代八十吉の作品も紹介しており、釉薬による色彩芸術の変遷がたどれる展示でした。
その中でもとにかく、ブルーの壺や大皿が美しく、目を惹かれました。
焼き物で、こんなに美しい色が出せるなんて、神業としか思えず、
ただただ、その美しさに心が奪われた時間でした。